〜水理模型実験施設概要〜
|
本施設は、昭和55年から現在までに40例以上の水理模型実験を行い、その結果が北海道内各地域の農業農村整備事業等の水利施設の整備に反映されています。
|
1.水理模型実験施設設置の目的
農業農村整備事業で建設するダム・頭首工等の取水施設、パイプライン等の用水路施設、排水機場等の排水施設など水利施設は数多く設置されています。
その設計手法は農業土木工学の進歩に伴い、土地改良計画設計基準の改訂、整備等もなされ、かなり精密で整合性のある考え方で進められてきています。しかし、これらの水利構造物の水理的諸条件を検討するにあたり、理論のみでは解明できない事象に遭遇することがあります。
このためには、水理的相似律をもつ構造物の模型による水理実験を行い、より適切な設計値を決定する必要があり、これにより一層合理的な水利施設の整備が可能となります。
昭和55年当時、道内において水理模型実験施設を所有している機関は(独)開発土木研究所等数ヵ所程度でありました。しかも、農業土木分野で必要に応じていつでも利用できる施設はほとんどありませんでした。
当財団では、このような需要に対応するべく、昭和55年10月に常設の水理模型実験施設を設置いたしました。 |
2.施設の規模
(1)実験棟
|
構 造 |
軽量鉄骨造 |
|
建物面積 |
290.8u(間口40.00m 奥行7.27m) |
|
(2)実験施設の構成
実験目的に応じて計量水槽を接続水路内に設けることができます。 |
(3)機器材等の仕様
(イ)貯水槽
|
屋外堀込形 |
L=5.00m |
B=5.00m |
H=1.20m 法1割 |
|
漏水処理 |
ゴムシート |
t=1.5o |
スーパーレーク(西武ポリマー化成) |
(ロ)吸水槽
|
鉄筋コンクリート造 |
L=2.50m |
B=2.50m |
H=1.20m |
(ハ)給水ポンプ
|
1
|
2
|
型 式
|
斜流うず巻ポンプ
|
片吸込うず巻ポンプ
|
ポンプ回転数
|
1600rpm
|
1310rpm
|
吐 水 量
|
6m3/分
|
3m3/分
|
全 揚 程
|
7M
|
7M
|
吸 込 口 径
|
200o
|
150o
|
電動機型式
|
かご型防滴保護型
|
左に同じ
|
電動機出力
|
11kW
|
5.5kW
|
ポンプ機名
|
エバラ200SER
|
エバラ150SER
|
(ニ)高架水槽
|
綱板製 |
円筒型 直径1.8m 深さ1.9m 有効水深1.8m |
|
整流方式 |
多孔分散管 |
|
給水管 |
径250o |
|
|
余水吐管 |
径200o |
|
|
満水面までの地上高 |
4.15m |
(ホ)流量制御システム
|
吐水管中の流量を電磁流量発信器と、電磁流量変換器の組合せにより、電気信号に変換し指示調節計に送信します。指示調節計に送られた信号は調節計内部の弁開閉演算システムにより電動ロート弁を開閉し流量を自動制御します。 |
|
電磁流量計 |
|
型 式 |
中口径低周波励振型口径 200o |
|
機 名 |
北辰電機 F571 |
|
測定流量 |
ハイレンジ 0〜10m3/分 ローレンジ 0〜5m3/分 |
|
測定精度 発信量(変換器との組合せにて) |
|
|
±1.0%FS(測定範囲 1.0〜10.0m/秒) |
|
|
±1.5%FS(測定範囲 0.3〜 1.0m/秒) |
|
|
指示調節計 0.5%以下FS |
|
電動ロート弁 |
|
型 式 |
口径250o |
|
機 名 |
エバラ RVM-250 |
(ヘ)電気計装設備
|
動 力 盤 |
|
型 式 |
綱板製屋内閉鎖自立型 |
|
寸 法 |
巾600×高さ2000×奥行900 |
|
盤面取付機器 |
操作開閉器 |
1式 |
|
|
押釦開閉器 |
1式 |
|
|
表 示 灯 |
1式 |
|
|
交流電圧計 |
1式 |
|
|
交流電流計 |
2台 |
|
|
警報ブザー |
1式 |
|
計 装 盤 |
|
|
型 式 |
綱板製屋内閉鎖自立型 |
|
寸 法 |
巾600×高さ2000×奥行900 |
|
盤面取付機器 |
流量積算計 |
|
1台 |
|
|
折線プログラム設定器 |
1台 |
|
|
流量調節計 |
|
1台 |
|
|
タイマー |
|
3台 |
|
|
流量記録計 |
|
1台 |
|
|
切替開閉器 |
|
3台 |
|
|
押釦開閉器 |
|
2台 |
|
|
表 示 灯 |
|
1式 |
|
(4)測定用機器
|
(イ)水位測定 |
ポイントゲージ 測定精度0.1o |
12台
|
|
|
容量式波高計 3チャンネル |
1台
|
|
|
同上自記記録計 3チャンネル |
1台
|
|
(ロ)圧力測定 |
マノメータ |
1式
|
|
(ハ)流速測定 |
小型流速計 |
5台
|
|
|
測定範囲 3p/S〜2.0m/S |
|
|
|
流速計カウンター |
2台
|
|
(ニ)流況記録 |
ビデオ用カメラ |
1式
|
|
3.水理模型実験規模
前記の施設規模から屋内で実験可能な模型規模は
平面型状 最大 6m×30m
立面型状 最大 2.8m
まで可能です。これ以上の規模になる場合は屋外に設置することができます。模型の規模内容によりますが同時期に複数の模型実験も可能です。
>>水理模型実験業務受託実績(一覧表)
>>主な機器類(写真) >>水理模型実験状況(写真)
|