第13回環境測定技術研究会発表会での研究発表
 第13回環境測定技術研究会発表会で、自主研究事業の成果を報告いたしました。
 
  ○開催日時 平成16年6月23日 15時〜17時
  ○場 所   KKRホテル札幌
  ○主 催   (社)日本環境測定分析協会北海道支部
           北海道環境計量証明事業協議会
  

融雪水影響調査研究
〜積雪に含まれる酸性成分の挙動と土壌への影響〜

(財)北海道農業近代化技術研究センター 田中雅文   

【講演の概要】
 本研究では、道内でも降雪量の多い深川市において、その基幹産業である水稲栽培を支える水田(試験ほ場)における積雪中の酸性成分を中心に調査を行った。特に融雪期のこれら成分の挙動を把握するため、深さ方向の濃度プロファイルがどのように変化するかを調べ、土壌との相互作用を把握することを試みた。なお、バックグラウンドのデータとして降水(雨、雪)中の各化学成分濃度についても調査を行った。
 アシッドショックに関する基礎データを得るために、深川市の降水及び積雪の化学成分について調査を行った。この結果、融雪期には短期間に各成分の濃度は半減し、下層へ移行していることが推定され、アシッドショックのメカニズムに合致する現象が確認された。しかし、pHは融雪期の最下層で7前後になることから、酸性化は土壌成分の溶出などにより抑制されているものと推測される。今後は種々の土壌について同様な調査を行う必要がある。


                 発表要旨