研究発表等の受賞


農業農村工学会北海道支部第16回支部賞を2課題受賞


【受賞対象者】
南部雄ニ ((一財)北海道農業近代化技術研究センター)
赤塚脩介 ((一財)北海道農業近代化技術研究センター)
高橋英明 (北海道十勝総合振興局)

【研究実績】
 「農業経営シミュレーションによる畑地灌漑導入効果の評価に関する一連の研究」

【選考理由】
 畑地潅漑の整備・導入により、農作物の栽培環境が改善され、作物の増収による収益増加が期待される。その反面、施設の整備と維持管理に伴う経費増や労働時間の増加に関する検討も必要となる。畑地潅漑の普及のためには、農家に対し導入効果を明確に最示し説明することが望まれている  一連の研究では、モデル圃場をケーススタディとしながらも、表計算ソフトを用いた簡便かつ発 展性のあるモデルを構築し、畑地潅漑導入時の効果を多様な条件改定下でシミュレー卜し、農業粗収益、農業所得、労働時間等を堤示することができるようになっており、地域営農の実態を踏まえた畑地潅漑導入効果を具体的に提示できるモデルを提案している。また、農家個々の営農条件を入力することで各農家の営農計画の検討も可能としている。
  これらの成果は、畑地潅漑の効果を農家が理解するうえで有益なツールとなり得るものであり、畑地潅漑導入時の農業経営の安定を図る上で活用が期待でき、今後の畑地潅漑の普及に資する研究である。


【受賞対象者】
中津敬太 (北海道空知総合振興局)
南部雄ニ ((一財)北海道農業近代化技術研究センター)
高木優次 ((一財)北海道農業近代化技術研究センター)
赤塚脩介 ((一財)北海道農業近代化技術研究センター)

【研究実績】
 「泥炭土壌地域における反転均平工法の適用性に関する研究」

【選考理由】
 圃場整備における区画整理・整地工法には、ブルドーザーを用いて基盤切盛を行う標準工法と、低コストエ法として開発されたブルドーザーの代わりにプラウを用いる反転均平工法がある。しかし泥炭土壌地帯で実施する反転均平工法の場合、心上の混入や、不陸の発生、地耐力低下が懸念されていた。
  本研究では、施工前後の圃場の土壌条件(表土厚、物理性、化学性、心土混入率)と、基盤の安定性(均平度や地耐カ、減水深、水稲の収量と品質)の面から、反転均平工法と標準工法を定量的に比較評価し、反転均平工区でも下層の泥炭土の混入を5〜10%程度の最小限に抑えられること、地耐カ、土壌の理化学性、均平度、水稲の収量・品質の各種データにおいて、反転均平工法が標準工法に劣らないことを明らかにした。このことから、施工前に現況圃場の表土厚や切土・盛土区域を十分に精査した上で実施する反転均平工法は、従来の標準工法と同等の整備効果が期待できると結論づけており、反転均平工法の今後の定着に向けて農家の理解を得る上で大いに参考となるものである。

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