西島氏による 平成14年度産北空知米の食べ比べ評価

 平成14年度北空知産の主な品種を食べ比べてみました。
 平成14年度産の「きらら397」を基準にして、他の品種を食べ比べてみました。


 ≪評価の段階≫

特徴の位置づけ
秀でている
やや
秀でている
普通
やや
劣っている
劣っている
7
6〜5
4
3〜2
1



 ≪評価結果≫

品種名
玄米
外観
精米
外観
粘り
柔らかさ
香り
(基準)
きらら397
4
4
4
4
4
4
ほしのゆめ
3
5
4
5
5
5
2
6
7
8
6
5
あやひめ
2
6
8
9
6
5
ななつぼし
2
5
6
6
6
5


 
今回の食べ比べは、過去の評価からの平均値などではなく、14年度産の「きらら397」を基準に、北海道米の中での食べ比べをしていますので、他県産・他品種との比較はしていません。
 食べ比べをするにあたって、根本的に、美味い不味いというチェックの仕方はしていません。あくまでも、「きらら397」と比較しての評価です。


@玄米
 「きらら397」「ほしのゆめ」の2品種のみ、玄米販売、または分搗米(3分・5分・7分)の販売が可能であり、青米(未成熟)が多すぎる「あや」「あやひめ」「ななつぼし」に関しては、「品質がよくない」と判断されて、消費者の支持は得られないと思いますので、今年度のお米を市場に出すのであれば、白米としての販売のみに絞り込んだ展開の方が有利だと考えます。

A精米
 玄米では青米(未成熟)が多く、精米に関してかなりの不安がありましたが、精米してみると、乳白粒・心白粒などの粒がほとんど出ず、見た目の評価は良好でした。

B炊飯状態
 「きらら397」との比較のため、炊飯時の水加減は統一されていますので、「あや」「あやひめ」の2品種は、「おこげ」ができたり、炊飯器の淵に厚い粘りの膜ができたりしましたが、米粒が立つ感じ、カニ穴の開き具合、ツヤなどは、他県産・他品種に全く劣っていません。
 「きらら397」「ほしのゆめ」「ななつぼし」の炊き上がりについても、米粒が立つ感じ、カニ穴の開き具合、ツヤなど、他県産・他品種に全く劣っていません。

C食味
 作況が悪いといわれている中でのチェックとなりましたので、かなり不利な面があります。
 特徴ごとに考えれば「粘り」「柔らかさ」は良く高評価となりますが、総合的な「甘味・美味しさ」として考えると、やはり「力不足」感を感じます。
 この「力不足」感を消費者のコメントで言い換えると、「味が無い」「甘みが足りない」などとなるでしょう。
 やはり、「粘り」「柔らかさ」の秀でた「あや」「あやひめ」は、一時的には「美味しい」と感じ消費者に受けいれられても、「ミルキークイーン」「はなぶさ」「スノーパール」などのように、やはり途中で飽きがきてしまう可能性があるので、単品で売り続けたり、食べ続けることは難しいかも知れませんが、ブレンド米としての魅力は捨てがたいものがあります。
 「ななつぼし」については、これが悪いときの基準と考えて、「甘味」を引き出す栽培方法を考えてほしいと思います。