研究発表等の受賞
平成27年度 北海道農業土木協会表彰事業“奨励賞”を受賞 |
■奨励賞 森井大輔 氏・橋本文孝 氏・松崎明夫 氏・山崎祐樹 氏・川西善文 氏・佐々木莱実 氏 課題名:「再生骨材(焼却固化体)の暗渠疎水材としての適性評価」 |
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従来、暗渠排水の疎水材として木材チップが多用されてきたが、相対的に割高であることやバイオマス原料としての需要が高まりつつあることなどから、今後の安定供給に懸念があり、代替の疎水材が求められているのが現状である。 いっぽう、製紙工場から排出される焼却灰は、セメントで固化して道路凍上抑制材料として利用されているが、製造量が需要量をおおはばに上回っている。 本事案は、焼却灰をセメントで固化した再生骨材の暗渠疎水材としての適性を検討し、暗渠整備のコスト低減の可能性を評価したものである。 調査は富良野市のほ場において実施された。平成23年度に整備された暗渠排水に対し、再生骨材と木材チップによる疎水材を用いた圃場で、平成24年度から26年度までの3ヵ年にわたり調査検討が行われた。検討項目は再生骨材自体の安全性、暗渠排水量と水質、暗渠周辺土壌への影響、疎水材断面および暗渠管の形状、そして作物収量である。 その結果、再生骨材と木材チップによる暗渠排水の水質には有意な差はなく、排水能力は木材チップと同等以上であることが確認された。作物収量調査によれば、再生骨材と木材チップ両調査区で優劣はなく、水稲の収量についても同様の結果となった。また、玄米の有害物質分析結果によれば、基準値をうわまわる項目はみられなかった。 さらに、再生骨材周辺の土壌を分析した結果、疎水材からの有害物質溶出は認められなかった。 以上の結果から、施工後3年経過の時点では、再生骨材の暗渠疎水材への適用に問題はないと評価した本事案の内容は、今後の農業農村の整備に貢献する調査・研究として評価されることから、農業土木協会賞「奨励賞j にふさわしい業績と認められた。 |
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