第39回地域活性化推進事業 講演会のご報告
 当財団の公益事業の中でも大きな位置付けをしております”地域活性化推進事業”も、昭和44年に始まり今年で39回を数えることになります。
 今年は「北空知における安全で美味しい米作りの取り組み」をテーマとして、農業者、関係機関と共に学ぶ機会を創りたいと企画しました。
 多数の方にご来場いただき、誠にありがとうございました。
■テーマ

  「北空知における安全で美味しい米作りの取り組み」

■概 要 

(滝川会場)
  日 時:平成17年11月28日(月)13:30〜15:00
  会 場:たきかわ農協 江部乙支店(3階会議室)
(深川会場)
  日 時:平成17年11月29日(火)9:30〜11:30
  会 場:きたそらち農協 深川支所研修センター
(秩父別会場)
  日 時:平成17年11月30日(水)14:00〜15:30
  会 場:北いぶき農業協同組合 本所(3F大ホール)

   ○入場者:305名(3会場総数)

■趣 旨
 いま全国で安全で美味しい食が求められ、北海道の米生産では美味しさの指標となっているタンパク含有率の低い米を目指した取り組みが強力に進められています。
 空知北部地域は道内屈指の稲作の中核地帯であり、これまでもこれからも美味しいお米を生産していくことが、個々の農業者やその孫子に、そして、地域社会に対して最大の貢献です。  


■講演(深川会場のみ)
「低蛋白化推進運動の取り組みと今年の成果」
  深川米 低蛋白化推進運動本部 本部長 早崎 優美 氏
  (きたそらち農業協同組合 代表理事専務)
−ご講演の要点は次のとおりです−
1
深川米の低タンパク米生産は、昨年の10倍に向上。
2
他地域と対比すると、この成果は気象要因だけではない。
3
推進運動本部の設置、組織・農業者一丸の取り組みの成果。
4
土壌条件を考慮し、適正な作付け、個別技術を展開した。
5
運動の究極の目的は、全道一の美味しい米生産と用途別の栽培、販売による経営の安定化。
講演中の早崎優美 氏

講演内容
  JAきたそらちでは推進運動本部を設置しランクアップを目指す戦略のもとに、組織一丸となって、個々の技術指導・改善を実施し、この秋、待望の成果が得られました。
 それらの取り組み内容・成果を総括し、さらに次年度の高い成果につなげていきます。

   
■講演(滝川会場・深川会場・秩父別会場)
「美味しい米作りの理論と技術」
  (財)北海道農業近代化技術研究センター 技術参与 坂本宣崇
−講演の要点は次のとおりです−
1
窒素浄化など水田の有する環境保全機能。
2
登熟過程における、でんぷん・タンパクの集積。
3
移植時期の適正化、側条施肥、稲ワラの扱い。
4
土壌型・地力窒素の影響を受けるタンパク率。
5
低タンパク米生産への道筋。
講演中の坂本宣崇

講演内容
 具体的には低蛋白米を安定して生産し、これを上手に売ること。この低蛋白米生産に関わる複雑多岐に渡る技術素材を、空知北部向きに再構築し、低蛋白米生産への道筋をしめします。 

<地域活性化推進事業>
 (財)北海道農業近代化技術研究センターでは、公益事業の一環として地域 の農業関係者をはじめ地域住民の方々を対象に、農業や食にかかわる講演会・シンポジウム、文化活動を企画し、地域活性化推進事業として実施しております。

・第32回(平成10年度)
  講演会 『食べて上向く運と健康』 星澤幸子 氏
・第33回(平成11年度)
  講演会 『高品質米の生産技術を考える-食味と土壌-』 稲津脩 氏
・第34回(平成12年度)
  講演会 『試されている北空知・中空知の稲作』 相馬暁 氏
・第35回(平成13年度)
  シンポジウム 『女性たちの農産物直販への挑戦』
  (冨田義昭 氏による講演『農業農村の活性化と女性の役割』、
  パネルディスカッション 『産直による農家収入の増加を目指して』)
・第36回(平成14年度)
  講演会 『販売・消費・調理からみた北海道米・北空知米』 西島豊造 氏
・第37回(平成15年度)
  講演会 『"米流通の現状"と"安全・安心、そして売るための米づくり"
               〜米づくりのトレーサビリティを考える〜』 八木俊明 氏
・第38回(平成16年度)
  講演会 『水と緑の国、日本』
            − 21世紀の地球環境と北海道農業の役割 − 富山和子 氏
・第39回(平成17年度)
  講演会 『安全で美味しい米作りの取り組み』
    深川会場:早崎優美 氏(深川米低蛋白化推進運動本部長)
    深川市・滝川市・秩父別町:坂本宣崇 氏(前財団技術参与)
・第40回(平成18年度)
  講演会 『地域で育む食の安全・安心』
    青木誠雄 氏(北海道農政部食の安全推進局食品政策課主幹)
    島影保雄 氏(JAきたそらち 農業振興部 部長)
    岩崎八重子 氏(深川市男女平等参画推進協議会前会長)
    大滝悦子 氏(生活協同組合コープさっぽろ理事)
・第41回(平成19年度)
  講演会 『地域で育む農地・農村の環境』
    市川隆司 氏(北海道農政部農村振興局農村設計課主幹)
    南茂和史 氏(深川市建設水道部環境課主任)
    辻本智 氏(農地・水・環境保全向上対策 深川市多度志地区環境保全協議会代表)
・第42回(平成20年度)
  講演会 『日本一の北空知米をめざして』
    鶴岡恵司 氏(深川市米穀集荷施設運営委員会委員長・深川環境ISO農業推進委員会委員長
    沼尾吉則 氏(北海道上川農業試験場主任研究員)
    坂本宣崇 氏(農学博士)
・第43回(平成21年度)
  講演会 『新しい農政への展開−戸別所得補償の導入に向けて−』
    森重樹 氏(北海道農政部農業経営局長)
 


→ホームへ
財団法人 北海道農業近代化技術研究センター